花組公演「ミー&マイガール」新人公演は、異例のダブル主演となった。1幕(前半)と2幕(後半)を、新人最終7年目の優波慧(ゆうなみ・けい)と、1年後輩の綺城(あやき)ひか理が半分ずつ、ともに初主演している。2人そろって、本役のトップ明日海りおの姿を追い、役作りに励んでいる。5月17日の兵庫・宝塚大劇場公演は優波が1幕で綺城が2幕を演じた。7月7日の東京宝塚劇場公演は綺城が1幕、優波が2幕を演じる。
前後半で“主役交代”の珍しいパターン。ともに初主演の優波、綺城も「どういうこと?」と驚いた。
優波 ちょっと、近年の新人公演では聞いたことがなかったので、最初は「え?」と。ハット(帽子)・トリック、リンゴのアクションとか、芝居以外の技術面も難しいので、エネルギーの使い方もどうしよう? って、考えました。
綺城 私はまず、自分が主演をさせていただけることに驚き、1期上の優波さんは音楽学校時代からお世話になって、最初にあこがれた上級生の方なので、心強いです。でも、満を持して主演される優波さんの足を引っ張らないようにと。
作品はこれまで剣幸、天海祐希ら歴代スターの主演で上演され、今回の本公演で主演しているトップ明日海も、08年の新人公演で主人公を演じた。貴族の血筋と判明した下町育ちのビルが主役のコメディーは、歴代スターが主演してきた。
優波 穴があくほど、けいこ場で明日海さんを見てきました。明日海さんのビルを見ていると、人を愛することを力にしていく男性だなと思います。
2人は、明日海について「誰からも愛される方」と声をそろえる。今回のビル役には、明日海自身から放たれる愛が投影される。
綺城 フェアリー、美しさ…明日海さんの天性の物は、私にはマネはできない。フェアリーでもセリフは男らしく、たくさんの魅力をお持ちなので、少しでも私も取り入れていきたい。
96期の優波は成績も優秀で正統派。1期下の綺城は176センチの長身が特長だ。2人の世代は、直近の先輩95期に引っ張られてきた。
優波 (95期は)音楽学校の時から、歩けばスターさんに当たるっていう。
95期といえば星組の礼真琴、2人と同じ花組には柚香光、水美舞斗と、各組の主力スターがそろう。柚香、水美は今作の本公演で主要キャストを演じている。
優波 おふたりと同じ花組になり、ずっと、引っ張ってくださって。私たちのあこがれの期。おふたりがどんどん前に行かれ、必死についてきました。
身近な先輩からも技を学び、盗み、理想の男役像に近づこうと努めてきた。
優波 花組で育ってきたからこその男役。愛、包容力。言葉では難しいですが、花組の男役として恥ずかしくないように。(今新人公演に)花組で7年学んできた集大成をぶつけたい。
5組最古の花組には、伝統を受け継ぐ意識、気概が高い者が多い。「ダンスの花組」とも呼ばれてきた。
綺城 ダンスの基礎ができている人は、歌、お芝居での立ち位置も美しい。ダンスを磨いていきたい。【村上久美子】
◆ミー&マイガール 1930年代のロンドンが舞台。下町育ちの青年ビルが、名門貴族の跡継ぎと分かり、一人前の紳士に成長するまでを描くミュージカル。恋人サリーとの恋、昔の仲間や貴族社会の人間関係も描く。1937年にロンドンで初演。宝塚では87年に剣幸らの月組で初演。95年に天海祐希、08年には瀬奈じゅんが主演するなど、たびたび再演されている。
☆優波慧(ゆうなみ・けい)6月7日、東京都生まれ。10年入団。花組配属。14年8月「エリザベート」新人公演でルドルフ。昨夏、台湾公演参加。身長171センチ。愛称「ゆーなみ」「おにい」「けいちゃん」。
☆綺城ひか理(あやき・ひかり)7月14日、千葉県生まれ。11年入団。花組配属。昨年1月に北翔海莉主演の「風の次郎吉」出演。同夏には台湾公演参加。身長176センチ。愛称「あかさん」「あかちゃん」。



