阿部寛(51)がTBS系日曜劇場「下町ロケット」(10月スタート)に主演することが18日、分かった。原作は作家池井戸潤氏の直木賞受賞作。11年にWOWOW、12年にTBSラジオでドラマ化されたが、今回は朝日新聞で10月から連載が始まる続編の内容が、ドラマ全10話の後半5話で映像化される。ドラマ放送と新聞連載が同時進行する異例の試みとなる。阿部は「経営者として弱いところと強いところを併せ持つ等身大の役を演じるのは初めて。『(主人公の)佃=阿部』と思われるような作品になればうれしい」と話す。

 佃の娘、利菜はNHK連続テレビ小説「まれ」ヒロインの土屋太鳳(20)が演じる。「『日曜劇場』にたくさんの感動や元気をもらった。心も体も引き締まる思い」と話している。

 続編執筆中の池井戸氏は「テレビと新聞連載の融合という初の試みにも胸躍る思い」といい、同局で「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」のドラマ化を手掛けた福沢克雄監督に「どんな世界を展開してくださるのか一視聴者として楽しみ」と期待している。

 新聞連載はドラマ最終回放送以降も続くため、ドラマと結末が同じになるか、変更されるかなど詳細は未定という。

 ◆「下町ロケット」 佃航平は自ら開発したエンジンを載せたロケットの打ち上げに失敗。宇宙科学開発機構を追われ、父が残した下町の工場を継いだが、夢を諦めきれずロケットエンジンの開発を続けるが資金繰りが圧迫。取引先に取引中止を宣告され、ライバル企業から特許侵害で90億円の損害賠償を請求された。そこに大企業の帝国重工から特許を20億円で買い取りたいと打診が来た。新聞連載される続編は、佃製作所が心臓手術に必要な部品作りに取り組む物語。