歌手浜崎あゆみ(29)が29日、東京・代々木第1体育館でデビュー10周年記念の日本ツアー最終公演を行った。左耳の聴覚をほとんど失っていると告白してから初のツアーで、体調を心配する全国のファン約23万人の後押しを受けながら、「元気なあゆ」も見せつけ完走した。聴覚障害の悪化に加え、昨年秋に「姉貴」と慕う親友を亡くしていた。数々のショックを歌うことで乗り越えた。

 あゆの涙が止まらない。全国ツアーの国内ファイナル。目の前のファン約1万2000人の拍手が温かかった。無数の「あゆー、泣かないで」の声。昨年からつらいことがたくさんあった。「全国で出会ったみんなにありがとう。最高の時間をありがとう」。声を振り絞り「ありがとう」を約20回繰り返すと、また泣き顔に戻った。デビュー10周年のクライマックスだった。