アイドルグループ、℃-uteが10日、悲願の東京・日本武道館公演を実現した。デビュー当時からの目標を達成した5人は、会場を埋めたファン1万人と、サプライズ出演した所属事務所先輩の森高千里(44)からも祝福され、涙した。

 13曲目の「たどり着いた女戦士」を歌唱後、森高がステージに登場した。「℃-uteのみなさん、おめでとう!」と笑って、リーダー矢島舞美(21)に花束を渡した。メンバーたちは今年2月に℃-uteでカバーした森高のシングル「この街」を森高と披露。観客の大歓声を浴びた。

 ℃-uteは、ハロプロの中でも「遅咲き」のグループとして知られている。インディーズデビューした2006年夏には、全国各地のショッピングセンターや、CDショップなどをバスで訪問する「Cutie

 Circuit」と題したPR活動を実施した。台風が直撃した際にはファンが2人しか訪れなかったこともあるが、事務所関係者は「先輩のモー娘や、先にデビューした同期のBerryz工房の陰に隠れてしまうことも多かった。それでも地道にパフォーマンスを磨いて、今やハロプロでも実力はピカイチですよ」と話す。

 この日も、新曲「都会の一人暮らし」(11月6日リリース)や「わっきゃない(Z)」などを披露し、キレのあるダンス、伸びのある歌声で観客を魅了した。クライマックスでは、鈴木愛理(19)が「ここまで来るのに、たくさんたくさん、時間がかかりました」としみじみ語った。矢島は「つらかったこともあったけど、いろいろな経験ができてよかった。新たなスタートを切って、これからさらに成長していきたい」と涙を流した。ひたむきに努力を積み重ね、観客の数は5000倍に。はい上がってきたヒロインたちは、これからも頂点を目指してひた走る。【横山慧】