あえて「笑い」を-。U-22(22歳以下)日本代表は13日、ロンドン五輪アジア2次予選クウェート戦(19、23日)に向けた直前合宿を、静岡県内で開始。初日は関塚隆監督(50)の判断で、縄跳び、フラフープなど「遊び」感覚を生かした練習に徹した。ホームアンドアウェーの一発勝負の大一番前に、選手に緊張を強いるのではなくリラックスさせる「関塚流調整法」を披露した。
夕方に始まった90分以上の練習の間、ひとときも選手の笑いが途切れることはなかった。練習初日の関塚ジャパンでは、見慣れない光景。ボールを使わない「遊び」を取り入れた練習にこだわった意図を、関塚監督は「1週間でチームを作り上げていきたい。まずはお互いを知ることが大事で、パワーにつながる。1歩1歩高めていく」と説明。まだクウェートの映像も見せていない。迫る大一番を意識させず、選手をリラックスさせ、雰囲気づくりに主眼を置いた。
最初の“競技”は縄跳びだった。この日、主将に任命されたMF山村は「僕は苦手でしたね。中学生の遠足以来かな」と苦笑。縄に引っかかり苦戦する仲間がいるたびに、爆笑に包まれた。
さらに、足を使わず手でボールを扱う、ドッジボール風のパス回し。7人が指1本でフラフープを持ち上げ、回数を競う3チーム対抗戦。最後は7人が手を結んで、指示された隊形を作る「人間知恵の輪」まで。選手が笑い疲れたころ、すっかり日が暮れていた。
19日に迫るホーム初戦。“一発勝負”のため、引き分けでも、5大会連続の五輪出場に黄色信号がともる。しかも相手は、2月の中東遠征で、控えメンバー中心だったA代表に0-3で完敗したクウェート。これまでの五輪予選に比べても、過度な重圧を強いられそうな状況だからこそ、「遊び」が必要だった。
同監督と話し合い、メニューを決めた里内フィジカルコーチは、「ジーコジャパンの時も同じように、決戦の前にリラックスさせることがありました」と振り返った。同世代で実績を残すG大阪FW宇佐美や、フェイエノールトFW宮市は招集していない。チームの団結力アップを図ることも必須だった。
試合まで6日。川崎Fで指揮を執っていた関塚監督は、「1週間のスパンでどうやっていくかが大事」とクラブチームの経験を生かす。ナビスコ杯やACLで、ホームアンドアウェーの勝負を勝ち抜いてきた実績もある。「明日からはビシッといきますよ」。早速、今日からは非公開練習を取り入れる。きりりとした勝負師の顔で、大きくうなずいた。【阿部健吾】

