J2仙台DF渡辺広大(22)が、去りゆくベテランの思いを背負いJ1に挑む。DF木谷公亮(31)の契約満了が発表されて一夜明けた25日「本人から、大宮時代(04年)も昇格前年に戦力外通告された話を聞いてたし、来季は公亮さんの分まで頑張る」と決意。ともに05年入団。昨季まで4年間でリーグ戦計157試合に出場した木谷に対し、控えの渡辺は計35試合。その立場が今季は逆転し、仙台にも世代交代の波がやってきた。

 入団当初「僕は高卒新人で、公亮さんは話せない存在だった」(渡辺)が、今は食事など家族ぐるみで交流。ピッチでは「今もチームで一番」と渡辺が手本にするフィードの技術などを学んだ。木谷も「優勝を目指し、変わらず練習するだけ」と、残りの期間も生きた教材になるつもり。渡辺は「僕の出番が増えても腐らず心に響いた。1日でも長く公亮さんに学ぶため、J2優勝と天皇杯の上位を目指したい」と発奮した。【木下淳】