<J1:仙台0-1神戸>◇第7節◇17日◇ユアスタ

 神戸の日本代表FW大久保嘉人(27)は故障からの復帰戦となる仙台戦で、いきなり鼻骨骨折の不運に見舞われた。

 大久保の鼻は痛々しく変形していた。左右両方の鼻孔にティッシュを詰めて止血。雪が積もり寒風が吹くピッチで同僚たちが、勝利の余韻に浸っている時に、復帰したばかりのエースはベンチ横で横たわり、しばらく動けなかった。チームドクターからは「鼻骨骨折」と診断され、試合後、神戸市内の病院へ向かった。「見ての通り。(鼻は)大丈夫ではない。折れてる」と首をひねった。

 3月27日のリーグ横浜戦(ホームズ)以来、左ひざ痛で離脱していたが、約3週間ぶりに復帰。終了間際に張り切ってピッチへ飛び出した直後にアクシデントが起きた。仙台DF渡辺に奪われたボールを取り返そうと必死に体を寄せたが、相手の腕が顔面に当たってしまう。大久保はピッチにうずくまった。鼻から大量の血を噴き出し、ピッチに戻れなかった。出場から約5分での悲劇。三浦監督は「またけが人が出た。今後については何も分からない」と嘆いた。

 6月のW杯本番に向け、復活への第1歩となるはずだった。左ひざもまだ万全ではなく、左足でシュートを打つこともできない。患部に何重にもテーピングし、わずかな時間でピッチを走り回ったが、思わぬ負傷を負ってしまった。それでも「鼻やから。大丈夫。(サッカーを)やれないことはない。不幸中の幸いというか、足をけがするよりいい」と言い聞かせた。

 傷だらけだが、強気な姿勢を失わない。どんな困難にあっても自分らしくあろうと冗談を言って和ませた。「鼻はまだ折ったことなかった。一度、(W杯前に)折ってみたかったんよ」。W杯本番で現チームメートのDF宮本は鼻骨を骨折しても、フェースガードをつけて出場した。大久保も“バットマン”になって、W杯へアピールを続ける構えだ。【奈島宏樹】