<J1:C大阪1-0鹿島>◇第20節◇21日◇カシマ

 今季J1に昇格したC大阪はMF乾貴士(22)の決勝点で、アウェーで王者鹿島を下し2位に急浮上した。

 C大阪が優勝争いに殴り込みだ。アウェー鹿島戦で競り勝ち、5戦負けなしで3連勝。暫定2位に浮上した。後半10分、DF高橋のパスを受けた元日本代表のMF乾が、ゴール前右、角度のないところでボールを持つと、クロスを意識したGKの逆をつきシュートを放つ。ボールはGKに当たり右隅へ吸い込まれた。「シュートは狙い通り。ああいうGKがクロスを意識した瞬間にシュートを打つのは好き。そんなに崩せなかったけど、少ないチャンスをものにできた」と、22歳は満面の笑みを見せた。

 “ライバル”の活躍が力になった。ドルトムントへ移籍した香川がドイツで大活躍。ライバル意識をあおろうとほぼ毎日、レビークルピ監督から「真司との差は決定力だ」と言われ続けた。「真司の活躍は必ず新聞でチェックしている。すごいですよね。自分も(海外移籍して)同じ舞台に立ちたい思いはある」。

 普段は吉本新喜劇をテレビで見るのが好きで温厚な性格だ。だが、ボールを持つとスイッチが入る。練習中に監督や首脳陣に激しく主張することもある。納得ができるプレーができなければ、不機嫌になる。すべてをサッカーにかけているから言いたいことも言う。

 J1復帰1年目から快進撃を続け5月以降は8勝3分け1敗。これで王者鹿島に今季2連勝で通算12勝4分け10敗とした。鹿島を抜き暫定2位へ浮上。この日、試合のなかった首位名古屋に勝ち点差2と迫った。「今の順位は関係ない。勝ち点を積み上げることだけを考えたい。(14年W杯を)目指す気持ちはある」と乾。今年2月以来の日本代表復帰に照準を合わせ、ゴールを狙い続ける。【奈島宏樹】