<天皇杯:G大阪2-1浦和>◇準々決勝◇25日◇万博

 G大阪がFW宇佐美貴史(18)の決勝弾で、史上初の天皇杯3連覇へ「マジック2」とした。浦和と1-1で延長に突入、同前半13分にFWルーカスのパスを受けた宇佐美が勝ち越しゴールを決めて勝利。5年連続の4強進出で、29日の準決勝(エコパ)で清水と対戦する。

 勝負を決めたのは18歳の宇佐美だった。1-1の延長前半13分、ルーカスから柔らかいパスがきた。「トラップした瞬間、何となく周りに空間が見えた。“あ、決められるな”と。枠に飛ばせる確信があったので」(宇佐美)。迷いなく右足を振り抜いた。ゴール左へ決勝弾が吸い込まれた。

 今季はリーグ戦で7得点を挙げ、ベストヤングプレーヤー賞(旧新人王)を獲得した。予備登録されたアジア杯の代表入りこそ逃したが「体を作り直せる時間ができた」と前を向く。この日は両親や兄も招待していた。後半途中から起用した西野監督も「フィニッシュの精度は群を抜いている」とべた褒めした。

 前人未到の天皇杯3連覇まで「マジック2」とした。現役高校生は「新しい記録が作れる。モチベーションはガンバが一番持っている」と、厳しいプロの顔で言い切った。4年ぶりの無冠に終わるわけにいかない。宇佐美も元日まで休むつもりはない。【近間康隆】