<J2:札幌4-2東京V>◇第5節◇21日◇札幌ド

 ついに首位浮上!

 J2札幌は東京Vに勝ち、暫定ながらJ2制覇した07年以来、4シーズンぶりの首位に立った。途中出場のMF岡本賢明(23)が、2-2の後半43分から2得点し突き放した。90分勝利ではJFL時代の97年以来、14年ぶりのホーム7連勝。勝ち点を49に伸ばし、中2日で迎える24日徳島戦(札幌厚別)では、今季初の5連勝を狙う。

 激しい撃ち合いに終止符を打ったのは岡本だった。2-2で迎えた後半40分から途中出場。土壇場で巡ってきたチャンスに燃えた。3分後の同43分、自陣からのFKを上原が競り、そのこぼれ球がポストに当たりはね返ってきた。

 「慎也君が競ったら必ずこぼれてくる。ポストに当たるのも見えた。相手より先に動くことができた。苦しい展開だから絶対決めてやろうと思った」。そつのない決勝弾で勢いに乗ると1分後には華麗なドリブルで魅せた。左サイドで河合のパスを受けると、2回切り返して左足で、相手GKの股を抜く技ありシュートだ。「いいボールが(河合)竜二さんから来た。トラップミスしてしまったんだけど、うまく入って良かった」。出場4分、シュート2本で2発と、大仕事を貫徹させた。

 石崎監督も大喜びだ。「ベンチの選手で計算できるのは(岡本)ヤスだけと思っている。しっかり役目を果たしてくれた」。前節17日の北九州戦では会場の本城競技場に岡本の両親が観戦に来ていた。だが3-0と圧勝ムードの中、攻撃的な岡本を起用するのはセオリーではなかった。「ヤスの親が来ていたことを試合が終わってから思い出したんじゃ。来てるなら使ってあげれば良かった…」。1試合“スライド登板”となったが、勝負どころまで温存したかいがあった。

 岡本は7月16日の水戸戦でも途中出場から決勝弾。新スーパーサブとしての自覚も芽生えてきた。昨年10月に右膝大腿(だいたい)骨骨挫傷を負ってからは、試合後のリバウンドを常に気に掛けながらの調整が続く。食事にも気を使い「軟骨にいいと聞いたのでネバネバ系のものを食べています」と言う。オクラ、納豆、山芋…。どんなに追いつかれても、突き放す。粘り強い札幌を象徴する“粘り系仕事人”の活躍がチーム躍進のカギを握っている。

 得点を決めれば10試合不敗(8勝2分け)のムードメーカーながら、1試合2発はリーグ戦初だ。07年の昇格を知る背番号17は「あのときは、先に突っ走って追いつかれていった。今は混戦の中、追い上げている緊張感がある」と言う。開幕戦0-2完敗から、一丸となってはい上がってきた。

 首位とは言ってもまだ暫定。油断は禁物だ。これからが正念場だけに指揮官も「この首位に意味はない。最後に1番になっていないと。これからです」と言った。昇格戦線生き残りのために、これからも勝って勝って勝ちまくる。【永野高輔】