崖っぷちのG大阪が、総力戦でJ1に生き残る。今日7日の柏戦(アウェー)に向け、6日は大阪・万博練習場で調整後に敵地へ移動した。7月に左腓骨(ひこつ)を骨折し、長期離脱していたDF中沢が遠征に同行。リーグ戦でまだ出番のないDFエドゥワルドもメンバー入りする。残り4戦でJ2降格圏16位。持てる力を出し尽くす覚悟だ。

 松波正信監督(37)は練習後に中沢と2人で真剣に話し込むなど、悲壮感たっぷり。指揮官は「この4試合をやり切ることができれば勝つ自信はある。中沢には高さがある。セットプレー(の得点力)もありますし、いろんなことを想定している」と説明。左膝負傷で今季絶望的になったDF加地の代役には武井の先発が有力だが、得点が欲しい時間帯に攻撃力のあるエドゥワルドを抜てきする可能性もある。

 今季8勝は全て3点以上を挙げている。裏を返せば2得点では勝てない。だからこそ中沢とエドゥワルドの守備陣にも攻撃力を求める。柏には6月30日のホーム戦で2-6で大敗。ナビスコ杯も含め今季3戦全敗だ。大黒柱のMF遠藤は「過去は過去。2点以上取ればいい。得点に絡む仕事をしたい」。残留へ、西の名門は必死だ。【益子浩一】

 ◆残留の行方

 今季のJ1残留は史上最もハードルが高くなりそうだ。18チーム制になった05年以降、自動残留できる最も下の順位は15位。その平均勝ち点は約38で残留の1つの目安だった。だが今季はその“常識”が通用しない。降格決定の最下位札幌以外は例を見ない大混戦。少なくとも現在勝ち点40の11位C大阪さえ安全圏とはいえない。過去最も勝ち点を稼いだ15位チームは06年甲府の42。今季は残り4試合で、17位新潟でさえ全勝すれば勝ち点43に届き、06年甲府を上回る。仮に降格圏の16位G大阪、17位新潟が今後2連勝、残留圏の14位神戸、15位大宮が2連敗すれば、順位はそのまま入れ替わる。勝ち点40以上を手に入れてもJ2降格という可能性を秘めたシーズンは、12月1日に最終節を迎える。