清水DF平岡康裕(28)が3日、天皇杯4回戦・東京戦(7日午後7時、味スタ)でのフル回転を誓った。現在、DFヤコビッチ(29)とDF三浦弦太(19)が代表遠征での不在に加えて、MF杉山浩太(29)とDF広井友信(29)もけがで別調整中。センターバック不在の非常事態となったが、今季公式戦全30試合にフル出場中のDFリーダーとして、3年ぶり8強への道をこじ開ける。

 平岡は、東京戦への意気込みを問われると「今いる選手でやるしかない。出番がなかった選手が出て勝てればチームの底上げにもなるし、自信にもつながる。東京にはこの前の借りも返さないといけない」とキッパリ。DFラインを統率する男は、弱気なコメントを一切口にしなかった。

 現在、DFヤコビッチなどの代表遠征組に加えて、DF杉山ら故障者も続出している。この日の実戦練習では、DFブエノ(19)と初コンビを組んだ4バックと、MF六平光成(23)を中央に置いた新布陣の3バックをテスト。今日4日にはDF広井が復帰予定だが、大榎克己監督(49)は「試合まで最善策を考えていく」。いずれにせよ、じっくり準備をする期間がないのが現状だ。

 東京FW陣は、前回対戦(0-4)で2得点を許した絶好調の武藤が日本代表で不在だが、J通算51得点の渡辺やエドゥーと難敵がそろう。平岡は「高さへの対応が1つのポイントになる。誰と組むかはまだわからないけど、試合までしっかりイメージを持って準備していきたい」と話す。

 平岡は昨年末、脱臼癖のあった右肩の手術に踏み切った。ここまでチームで唯一公式戦30試合にフル出場中。東京戦も激戦必至の状況だが、「疲れがないと言ったらうそになる。ただ、休んでいる場合じゃないし、全試合に出るために手術をした。1つのタイトルが懸かった大会。次に進めるように全力でやるだけ」と、頼もしい言葉を並べた。3年ぶりの8強へ-。フル回転する準備はできている。【前田和哉】