リオ五輪世代のU-22(22歳以下)日本代表入りを目指すG大阪MF井手口陽介(18)が、視察に訪れた同代表の手倉森監督へ猛烈なデモを決めた。5日、宮崎キャンプで行われた蔚山現代(韓国)との練習試合にサブ組のボランチとして90分間出場し、直接FKをたたき込んだ。

 ペナルティーエリア外のほぼゴール正面。相手の主力組に1歩もひるまず右足を振り抜き、低弾道でゴール右下へズドン。満面の笑みで、トレードマークの金髪を強風になびかせた。「GKが真ん中めに立っていたので、強いボールを意識した」。堂々としたプレーに、手倉森監督も「成長を続けてくれていて安心した」。

 ずぶとさはすでに世界で発揮していた。昨年12月に、U-21代表に2世代飛び級で初選出。東南アジア遠征のバングラデシュ戦で18歳ながら、自らFKを蹴った。ゴールマウスを外したが、同監督に「肝が据わってる。遠征中で一番印象に残っている出来事だった」と言わしめた。

 日本代表MF遠藤、今野が支えるG大阪のボランチ。その次世代はこの新星が担う。昨年3月のユース在籍時にトップ昇格。常に上の世代で活躍を続けてきた。ただ、この日は訳あってサブ組。長谷川健太監督(49)に「遅刻したからね」と先月の練習遅刻ネタをばらされ苦笑いした。「お母さんに送ってもらったら通行止めで…。もっと早く出れば良かった」。しっかり反省する素直な心も持ち味だ。チームへ、今日6日に発表されるU-22代表入りへ好アピールとなった。【小杉舞】

 ◆井手口陽介(いでぐち・ようすけ)1996年(平8)8月23日、福岡県生まれ。高2で2種登録され、高3だった14年3月にG大阪ユースから飛び級でトップ昇格した。昨年4月16日のナビスコ杯鳥栖戦で公式戦デビューを果たした。171センチ、71キロ。