ポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナルド(31=Rマドリード)がまた大きな称号を手にした。スイスで行われた国際サッカー連盟(FIFA)の16年年間表彰式で、男子世界年間最優秀選手に選ばれた。2年ぶり4度目の受賞。昨夏の欧州連盟(UEFA)最優秀選手、12月のバロンドールに続く“個人3冠”の達成となった。

 青のスーツ姿で登壇したロナルドは、銀色のトロフィーにキス。「今はキャリアで最高の時期を過ごしている。昨年は個人にとっても、チームにとっても素晴らしい1年だった。全員に感謝している」。自信たっぷりの笑顔を見せた。

 昨季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)は16点で得点王となって優勝に貢献。欧州選手権ではポルトガル代表の主将として初優勝を果たした。先月に日本で開催されたクラブW杯でも決勝でハットトリック、底力を見せて優勝した。

 受賞回数は5回のメッシに次ぐ2番目。だが、バロンドール、UEFA最優秀選手との3冠は07年カカ、09年メッシも達成したが、ロナルドは08年に続く2度目で史上初の“マルチ3冠”。さらに「ポルトガル代表としてタイトルを取り、歴史をつくれた」と誇らしげ。08年以降、年間最優秀選手の座をメッシと2人で分け合ってきたが、ライバルがアルゼンチン代表で無冠なだけに、そこも1歩先んじた。

 30代での受賞は06年カンナバロ以来。歴史をさかのぼっても91年のマテウス、03年のジダンしかおらず、4人目で、FWでは初めてだ。この1年間で55ゴール(クラブ42、代表13)を決めた。その肉体美を披露したCMが日本でも流れるなど、強靱(きょうじん)かつしなやかな肉体は健在。若い頃は女性問題などゴシップもあったが、今は体調管理へのストイックささえうかがわせる。レアルとは36歳になる21年まで契約を結んでいるが、「これが最後の契約とは限らない」と、闘志も衰えることがない。

 今季もレアルはリーグ戦で首位を快走、今のロナルドに不安材料はない。

 ◆クリスティアノ・ロナルド 1985年2月5日、ポルトガル・マデイラ島生まれ。03年にポルトガルのスポルティングからマンチェスターUに移籍。09年にRマドリードに移籍金8000万ポンド(約130億円=当時)で加入。10年に息子の誕生を発表、母親は公表せず。185センチ、80キロ。

 ◆FIFA世界年間最優秀選手賞 各代表チームの監督と主将、専門記者、ファンの投票をもとに国際サッカー連盟(FIFA)が表彰する。男子は91年に始まり、10~15年は伝統と権威のあるフランス・フットボール誌選定の個人賞「バロンドール」(黄金のボール)と統合されていたが、今回から別々に選ぶ形に戻った。女子は01年に創設された。