ロンドン・パラリンピック走り幅跳び8位の中西麻耶(30)が4メートル91で優勝し、10月の世界選手権(カタール・ドーハ)に向けて順調な仕上がりを見せた。

 最後の6本目の跳躍。観客の拍手に合わせながら、体全体を使ったしなやかな跳躍を披露した。自身が持つアジア記録の5メートル27には一歩及ばなかったが、満面の笑みを見せた。「助走は良かったのですが、踏み切り板に足を置きにいってしまいました。ただ、調子や感触も悪くないです。順調だと思います」。

 過去2度もパラリンピックに出場していながらも、10月の世界選手権は初出場となる。渡航費や合宿費などの活動資金は自身で調達しなければならなく、これまでの大会は出場できなかった。地元の大分県では、支援者らとチラシなどを配布し、支援金を募ってきた。

 「初めての世界選手権でワクワクしています。安定感のある跳躍を披露したいです。そして、20年の東京大会で一番輝けるよう、しっかりと準備したいと思います」

 中西はテニスで大分国体を目指した06年に事故で右膝下を切断。翌07年に陸上に転向した。ロンドン大会前に活動資金を集めるためにセミヌードカレンダーを発売し、話題となった。今月7日には、スポーツマネジメント会社「マザーランド」とマネジメント契約を結んだ。