<陸上:東日本実業団選手権>◇最終日◇22日◇埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 07年世界選手権1万メートル代表の絹川愛(めぐみ、21=ミズノ)が、亡き大先輩に勝利をささげた。女子5000メートルに出場し、15分37秒50で優勝。先頭集団から最後の1周で抜け出し、今年の世界陸上女子マラソン代表の尾崎好美(第一生命)らを退けた。15日には母校・仙台育英高のOBで、北京五輪男子マラソン金メダルのサムエル・ワンジルさん(享年24)が、母国ケニアで急死した。渡辺高夫コーチから「ワンジルが乗り移ったと思って走れ」とハッパをかけられ、今大会に臨んだ。「先輩は偉大すぎるけど、片足ぐらいは乗り移ってくれたかな。自分の限界を超える走りができた」。涙ぐみながら、天国の先輩に感謝した。