陸上のダイヤモンドリーグ第6戦のアディダスグランプリが6月9日、ニューヨークシティで行われる。注目は男子100メートル。世界記録保持者のウサイン・ボルト(25=ジャマイカ)は出場しないが、ヨハン・ブレイク(22=ジャマイカ)とタイソン・ゲイ(29=アメリカ)が出場する。

 ブレイクは昨年のテグ世界陸上金メダリスト。同じクラブの先輩でもあるボルトがフライングで失格したレースを、男子100メートルでは大会史上最年少の21歳で制した。さらに9月のダイヤモンドリーグ・ブリュッセル大会200メートルに19秒26で優勝。ボルトの世界記録に0・07秒と迫る世界歴代2位の快記録だった。

 5月には9秒84と今季世界2位をマークしている。

 ニューヨーク入りしたブレイクは「今年は世界記録が一番の目標ではない。シーズンを通じて負けないこと」と話した。だが「(記録的にも)レースコンディションが良ければ何が起こるかはわからない」とも言う。

 ボルトが5月末に出した9秒76の今季世界最高記録に迫る可能性もある。

 世界歴代2位の9秒69を持つゲイは臀部のケガで、昨年6月の全米選手権準決勝を棄権して以来レースに出場していない。「痛みはまだあるが、何とかやっていくしかない」とゲイ。

 9秒69を出した2009年も、脚の状態が万全でない中で走っていた。今回どんな記録で走るかで、月末に始まる五輪選考レースを占うことができる。

 女子100メートルにも強豪選手がそろった。昨年のテグ世界陸上優勝者で、世界歴代2位の10秒64を持つカーメリタ・ジーター(32=アメリカ)がV候補。5月に10秒81と今季世界最高を出している。

 そのレースでジーターに迫ったケリー・アン・バプチスト(25=トリニダードトバゴ)は、昨年の世界陸上でも銅メダルを取るなど強さが安定してきた。北京五輪金メダリストのシェリー・アン・フレイザー(25=ジャマイカ)は復活を期す。

 そして200メートルで世界陸上に3回優勝しているアリソン・フェリックス(26・アメリカ)が、今季はダイヤモンドリーグ・ドーハ大会100メートルで優勝するなどショートスプリントが好調だ。

 2日のユージーン大会200メートルではフェリックスがジーターを圧倒した。ジーターの本職である100メートルでの対決が興味を持たれている。

 世界記録保持者は男子では800メートルのデビッド・ルディシャ(23=ケニア)と110メートル障害のデイロン・ロブレス(25=キューバ)、女子では5000メートルのティルネッシュ・ディババ(27=エチオピア)とやり投げのバーバラ・シュポタコワ(30=チェコ)と4人が出場する。

 ◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル~8位1000ドル)。各大会のポイント合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢がそろう短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。