<陸上:実業団女子駅伝中日本大会>◇20日◇岐阜県庁発着6区間42・195キロ

 最長区間(11・0キロ)の5区では高島由香(25=デンソー)が、キャプテン同士の対決を制した。

 高島が8秒のリードでタスキを受け取ったが、2位の豊田自動織機は1500メートル日本記録保持者の小林祐梨子(24)。スピードに勝る小林が前半で差を詰める展開が予想されたが、逆に高島が差を広げていった。

 「小林さんが怖くて、最初は速く入りました。目標の1キロ3分15秒ペースより速く入ったあとも体が動いてくれたので、設定ペースにこだわらずに押していきました」

 高島は35分31秒と区間記録を20秒も更新し、豊田自動織機に57秒差をつけて勝利を決定的にした。

 岡山の興譲館高出身で2年時には新谷仁美(25=ユニバーサルエンターテインメント)、重友梨佐(26=天満屋)と、ロンドン五輪代表に成長する先輩2人がいた。1区の新谷と5区の高島が区間賞を取る活躍で全国高校駅伝を制覇。ところが自身がエースとなった3年時には、小林がキャプテンだった須磨学園高(兵庫)に敗れて2位だった。

 高校卒業後にデンソーに入社。小林のように日本代表にはなっていないが、「個人で走るよりも、みんなで走る方が頑張れる」という駅伝を通じて確実に成長。今季は1万メートルで32分06秒70と自己記録を大幅に更新し、この種目では小林に近づいている。

 昨年からキャプテンに指名され、自身の走りと明るいキャラクターでチームを引っ張った。全日本実業団対抗女子駅伝ではチーム最高順位の2位に。

 「準優勝でうれしさもありましたが、終わった後に悔しさの方が大きくなりました。準優勝が弾みになったのは確かなので、今年はそれを無駄にしないように優勝したい」

 12月の全日本実業団対抗女子駅伝が本当の勝負である。