陸上のロンドン五輪代表に選ばれた「中京大トリオ」が13日、愛知・豊田市内で会見した。男子400メートル障害の中村明彦(21)は「実感なかったのですが、事の重大さに気がついているところです」と目を白黒させた。本来は10種競技の選手。同競技にはない種目で日本選手権に出ると、一気にA標準突破で2位に入り切符をつかんだ。吉報は11日に岐阜県内で買い物中、突然のメールで知った。「おみくじは2年連続大吉。恩師には、いいものが自然と集まるのがお前の一番の強み、と言われる」という。同大准教授のハンマー投げ室伏広治に激励され「五輪は本当にいいものと聞いてワクワクしています。僕は大穴的な存在で」とマイペースで挑む。

 「五輪の子」が親孝行を喜んだ。男子棒高跳びの山本聖途(せいと)は「僕は聖火台へ向かって一途(いちず)に、と名付けられました。五輪は親の夢でもある舞台」と声を弾ませた。100メートルで国体優勝した父久義さん(49)は、アキレスけん断裂で競技を断念。3兄弟の末っ子が夢をかなえ、父から「おめでとう」ではなく「ありがとう」とメールが届いたという。伸び盛りの20歳は「俺の時代にしたいです」と鼻息が荒かった。

 また、48年ぶりの出場が濃厚な女子400メートルリレーの市川華菜(21)は「確実に決まってないので、やることをやっていきたい」と控えめだった。