<全国高校総体:陸上>◇第1日◇30日◇大分銀行ドーム

 陸上女子400メートルで、大木彩夏(群馬・新島学園3年)が大会新となる53秒66で連覇を飾った。高校記録を持つ杉浦はる香(静岡・浜松市立3年)を残り100メートルで抜き去り、84年の小野富美子(福島西女)の大会記録54秒12を29年ぶりに更新した。

 大木がイメージ通りの走りで連覇をつかみ取った。レース中盤までは2位の位置で我慢の走り。得意の後半に入った瞬間、ギアを上げた。残り100メートルから加速すると、ライバル杉浦を捉え抜き去った。優勝を確認すると、昨年とは違う喜びに泣き崩れた。

 「インターハイだけを考えてずっと練習してきた。もう優勝できないのでは、と自信をなくしていたのでうれしくて…」。6月の日本選手権で、同じ高校生の杉浦にラストで抜かれて2位。杉浦のタイムは日本歴代2位で、高校記録ともなる52秒52だった。

 インターハイでの雪辱を誓い、同選手権後は、後半の走りに磨きをかけてきた。300メートルトライアルでは、2~5秒遅れでスタートして仲間に追いつく練習を繰り返した。「つくってきたラストの走りが本番でできた」と胸を張った。

 ライバルに勝って大会連覇、さらに大会記録を29年ぶりに更新した。「(高校記録の)52秒52はまだ出せていないので借りは返せていません。国体で連覇と一緒に目指します」。自信を取り戻した女王は、次のレースを見据えていた。