平野美宇(15=エリートアカデミー)の史上最年少優勝の夢はついえた。後半はラリー戦でポイントを奪う場面も増えたが、勝負どころで石川の勝負強さにはね返された。「優勝したかったし、満足はしていない。精神面では成長できたと思う。今後は世界ランク10以内に入りたい」。現在は18位だが、強豪を破るための手応えも得た。準決勝では同じ中3の伊藤を4-0。わずか36分で決着をつけた。第1ゲームを14-12で奪うと、常に攻撃的な姿勢で得点を重ねた。伊藤には「中国人みたいだった。別人。手に負えなかった」と急変ぶりを驚かせた。

 昨年9月のリオ五輪代表落選後「もういいやと思っちゃっていた」と向上心を失いかけた。だが、直後の10月に中沢鋭コーチに変更となり転機となった。守り主体から「攻めないと勝てない」と意見は一致し、改造計画がスタート。世界ランク1位の劉詩■(中国)を手本にフォアと重心の入り方に重点を置いた。「次も(伊藤)美誠ちゃんには勝てると思う」。自信がみなぎっていた。

※■は雨カンムリに文の旧字体