昨季GPファイナル銀の宮原知子(18=関大)が、日本女子の伝統を守った。ショートプログラム(SP)3位で迎えたフリーで133・80点をマーク。合計198・00点で2位に入った。上位6人が出場するGPファイナル(12月8日開幕、フランス・マルセイユ)進出が決定し、これで日本女子は16季連続出場となった。
悪夢を振り払った。宮原は、ルッツ-トーループの連続3回転に向かった。前日のSPでは安定感抜群のルッツで約1年ぶりに転倒。体が硬くなったが「今日しっかりやらないといつやるの? と思った。同じ失敗をやると進歩がない」。3つのジャンプで回転不足も確実にまとめた。磨いてきた演技構成点もあって、日本女子の伝統を守った。
「フリーでGPファイナルが決まる、追い詰められた状況で何とか演技できた。緊張したわりには気持ちはコントロールできた」。
10月29日、カナダ・トロント近郊のミシサガ。宮原は目を腫らして、泣いていた。緊張で力を出せず、スケートカナダのSP5位発進。浜田コーチらに「やってきたことが出せなかったら、いくら練習しても意味ない」と雷を落とされた。
練習の虫だが、弱気の虫も抱える。同コーチは「心が弱い」。1年前から体をケアする出水トレーナーにも「本当に五輪で金メダルをとりたいんだったら、もう間に合わない。変わるのは今だよ」と諭された。
その翌日はフリーのステップで、まさかの0点。規定を満たしていないと判定された。浜田コーチが「あれは(ジャッジが)すごくいじわる」。それでも投げやりにならず審判の説明を自分の耳で聞いた。そしてこの日「今度こそ」と、最高評価のレベル4をとった。
昨季まで全日本選手権を連覇。大学1年の18歳は、ソチ五輪後のエース格になったが、今季は樋口、三原らが台頭。今大会前には出水トレーナーからは「追ってくる後輩たちに勝たなければ、すぐに抜かれる」とハッパもかけられた。同じ浜田門下生の本田と紀平もジュニアのGPファイナルを決めている。「ジャンプで納得いかないものもあったが、ほっとした。GPファイナルではもっと自信を持ってすべりたい」と少しだけ笑った。【益田一弘】


