パラスポーツの期待の星、成田緑夢(ぐりむ、23=近畿医療専門学校)が2連覇を達成し、大腿(だいたい)義足クラスで初優勝した山本篤(34)と平昌大会での共演を望んだ。

 成田はゴール直後、山本とハイタッチして喜びを分かち合った。「篤さんはすごくスムーズにうまく滑っている。もっと、トレーニングしたら素晴らしい選手になると思う。スノーボードで一緒に平昌パラリンピックに行けたらすごくうれしいです」。

 成田はスノーボード一家の次男として、06年トリノ五輪に出場した兄童夢と姉今井メロともに1歳からスノーボードに親しんできた。スノーボードとスキーのハーフパイプ(HP)で活躍し、ソチ五輪を目指していたが、13年4月にトランポリンの練習中に着地を失敗して、腓骨(ひこつ)神経左膝下まひとなった。障害者手帳は6級に認定された。

 しかし、スポーツは諦めなかった。ソチ・パラリンピックから正式種目となったスノーボードクロスに挑戦しようと昨年の同大会に出場して優勝。今季は日本代表選手として、海外遠征に参加した。昨年10月のワールドカップ(W杯)で4位、その後のW杯では2度の優勝を飾り、一気に平昌大会の期待の星となった。

 平昌大会と並行して、20年東京大会はスポーツイベントで山本に見いだされた、陸上(走り高跳びなど)での出場を目指している。成田は言う。「1つだけ極めるという日本の文化を変えたい。僕はヒーローになりたいんです」。スポーツ万能の天才が偉業に挑む。