20年東京五輪・パラリンピックの金、銀、銅メダルをリサイクル金属でつくる「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」が1日、本格的に始動した。使用済みの携帯電話や小型家電から金属を取り出してメダルを作成するもの。この日から全国のドコモショップで携帯電話、スマートフォンの回収がスタートした。

 東京・大手町のドコモショップで行われたキックオフイベントには、リオデジャネイロ五輪競泳銅メダリストの松田丈志氏(32)と同パラリンピック競泳銅メダリストの山田拓朗(25)が登場した。

 実家の机の引き出しに眠っていた「青春時代の思い出が詰まった」携帯電話を供出した松田氏は「みんなが目に見える形で大会に参加できる素晴らしい企画。価値のあるメダルを手にする選手がうらやましい」。同じく「かなり昔のもの」というガラケーを出した山田は「多くの人の思いが詰まったメダルだから、自分で回収したい」と東京パラリンピックの金メダル目指して話していた。

 東京五輪とパラリンピックで使われるメダルは約5000個。金10キロ、銀1230キロ、銅736キロの計2トンの金属が使われるが、製造工程でのロスを含めて4倍の8トンが必要になる。このすべてをリサイクル金属でまかなう五輪史上初の取り組みは世界的にも注目され、海外メディアからの問い合わせも多いという。

 回収は2月からは東京都庁で始まり、この日から全国約2400店舗のドコモショップでスタート。今月上旬以降には、プロジェクト参加の全国の自治体でもパソコン、デジタルカメラなど小型家電の回収が開始される。