今春のセンバツは、11日に開催中止が決まりました。「野球の国から」では、出場を予定していた32校から今秋ドラフトの注目候補を連載で取り上げます。「幻のセンバツ」で輝いていたはずの逸材たち。つらい経験を乗り越えての奮起に期待です。

ドラフトファイル:若杉晟汰
ドラフトファイル:若杉晟汰

明豊の最速141キロ左腕、若杉晟汰投手(2年)の憧れはマリナーズ菊池だ。「雄星投手の体全部を使った、貫禄ある投げっぷりを参考にしています」。昨年のセンバツは4試合に登板して同校最高成績のベスト4に貢献。172センチと小柄ながら、全身を躍動させた雄星ばりのダイナミックなフォームが持ち味だ。

09年センバツ2回戦で明豊の先輩今宮(現ソフトバンク)と花巻東・菊池が投げ合う場面をテレビで見た。「同じ左腕としてものすごい印象を受けました」。菊池が聖地で投げた動画を参考に成長を重ねてきた。

九州王者として臨む2年連続のセンバツは、エース兼主将で挑む予定だった。「今年は全部、1人で投げきるつもりでやっています」。強い責任感でオフの鍛錬に励み、ボディーをパワーアップさせてきた。昨夏は大分大会準決勝で敗れ、秋の明治神宮大会は準々決勝で敗戦。センバツで目指した日本一は幻となったが、“明豊の雄星”が最後の夏にかける。【菊川光一】