大谷翔平投手(29)と山本由伸投手(25)が今季から名門ドジャースに加わった。世界一を目指し、共闘する仲間たちを紹介する。

19年6月、エンゼルス戦に先発したレイズ時代のヤーブロー
19年6月、エンゼルス戦に先発したレイズ時代のヤーブロー

技巧派の左腕ライアン・ヤーブロー投手(32)は、大谷翔平とともに戦えることに胸を躍らせている。昨年のトレード期限直前にロイヤルズからドジャースに移籍。一足先に、ドジャースの一員となった。今季から大谷と同僚となり、「自分にとってもチームにとっても、彼のプレーを毎日のように見られるのは、とても楽しみなことだね」と語った。

ヤーブローと大谷には、歴史的な記録の縁がある。19年6月13日、メジャー2年目の大谷は日本人初のサイクル安打を達成。当時、レイズの先発マウンドに上がっていたのが、ヤーブローだった。1打席目から左中間へ豪快な3ラン、2打席目は再び左中間へ二塁打、3打席目は右翼線へ三塁打を打たれ、サイクル安打達成への可能性を一気に高めた。「僕自身は打たれて腹立たしかったから、あの時の試合を振り返ることはしていないけど、印象にあるのは、彼はいろんな球種を強く打てることかな」。

速球系の球速は140キロ前後で、変化球を織り交ぜて制球力で勝負する技巧派だが、ことごとく対応された。1打席目は真ん中からやや内角へ食い込むシンカーを打ち砕かれ、2打席目はカットボール、3打席目はカーブを拾われた。「彼には素晴らしいミート力と力強さがある。これからも、それが変わることはないと思う」と、実際に体感したからこそ、打者大谷の非凡さを理解する。ただ、完敗した対戦の1年前、初対戦の時は3打席で2三振。ともに、ストライクからボールゾーンに鋭く変化するカーブで打ち取った。

ヤーブローの年度別メジャー成績
ヤーブローの年度別メジャー成績

カギはいかに意図通りに制球できるか。ヤーブロー自身、重視することは「強い球を投げられるわけではないから、いろんな球種をミックスして投げて、打者のバランスを崩すこと。テンポよく、(打たせて)アウトをとることも心がけている」と話す。

現状では中継ぎで起用されそうだが、先発もこなせる器用さも強みだ。先発ローテーションに入る見込みの左腕パクストンは近年、故障がち。仮に戦線離脱した場合、投手陣に左腕が少ないだけに先発起用される可能性もある。パワー&スピード勝負の派手な戦いとは一線を引くヤーブロー。投球術や打者との駆け引きが、生命線となる。【斎藤庸裕】

ヤーブローの23年投球内容
ヤーブローの23年投球内容

◆ライアン・ヤーブロー 1991年12月31日、米国テキサス州生まれ。14年にドラフト4巡目でマリナーズに指名され、17年にトレードでレイズに移籍。18年にメジャーデビューを果たすと、38試合(中継ぎ32試合)の登板で16勝6敗の好成績を収めた。昨年はロイヤルズでプレーし、トレード期限前にドジャースに移籍した。196センチ、97キロ。左投げ右打ち。今季年俸390万ドル(約5億8500万円)。