4月29日は「昭和の日」だ。昭和時代は「天皇誕生日」だったが89年、昭和天皇の崩御を受け「みどりの日」に。そして07年に「昭和の日」となっている。祝日をさだめる法律では「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」とされている。

「平成」から「令和」に改元される直前に「昭和の日」がやってくる。いよいよ昭和も遠くなるのか。昭和38年生まれとして、思わずそんなことを考えてしまう。そしてこの日が誕生日であるもう1人の人物を思い出した。

仰木彬。近鉄、オリックスで指揮を執った言わずと知れた名将だ。オリックスは29日の西武戦(京セラドーム大阪)でベンチ全員が95、96年のリーグ連覇に輝いた当時のデザインの背番号「72」のユニホームを着用するそう。いいことだと思う。

1935年(昭10)生まれの仰木は自身の誕生日について数十年前に雑談したとき、こんなことを言っていた。

「そんなエラい人と同じなんて。どう言っていいか分からんぞ」。どんなことにも平然と自分の考えを口にした仰木だったが、こればかりは苦笑するしかなかった。いかにも「昭和の人」という感じだったことを覚えている。

起用の妙から「マジシャン」の異名を取った仰木だったがもう1つ、スポーツ紙を中心にしたメディアに話題をまいたのが投手コーチとの“確執”だった。近鉄時代は権藤博、そしてオリックス時代は山田久志。現役時代に大投手だったコーチを相手に、ときにその意見を聞かず、投手起用を行った。それが原因で双方がぶつかることもあったのは有名な話だ。

「咲かせてこそ花やろ。太く短くでええやないか」。救援投手の起用過多について質問したとき、笑いながらそんな話をしたこともあった。

阪神の話だ。1勝が大変である。なんとか天敵ビシエドを抑え込み、逃げ切った。しかし今のブルペンでもっとも頼りになるジョンソンをいわゆる“回またぎ”で起用した。12連戦中であることを考えれば、これはなかなか、きついところだ。

現在の投手コーチは若い福原忍、ブルペンは金村暁だ。コーチとしての経験もそれほど長くはない。それこそ指揮官・矢野燿大と衝突するようなことは考えにくい。

だからこそ、しっかり話し合って、いくときはいく、退くときは退くというメリハリが重要になってくると思う。できれば「昭和の日」に中日に勝ち越し、そして改元ど真ん中の甲子園で広島を迎えてほしい。(敬称略)