痛い。8点も取ったのに負けるとは。そんなんあったかいなと振り返ると、あった。
5月11日のDeNA戦(横浜)だ。阪神は3回まで7点をリード。しかしジリジリ追い上げられ、8回裏に筒香嘉智に決勝弾を浴び「9-11」で逆転負けを喫した。先発はこの日と同じ伊藤将司だった。
だがチーム打率リーグトップのDeNAと違い、この日は、失礼ながら阪神同様に打てない悩みの中日が相手だ。そこで打ち負けての連敗である。前日は日本を代表する右腕の1人、高橋宏斗に抑えられての0封負け。同じ敗戦でもこの日の方がこたえる気はする。伊藤将から始まり、ブルペンも5投手が投げての結果だ。
そもそも中日先発の涌井秀章がアクシデント発生か、1イニングを投げただけで降板。2回に急きょ登板したルーキー土生翔太を攻め、敵失もあって2点を先制した。他者の不幸を喜ぶのは良くないが、勝負の観点から言えば、願ってもない展開だったのだ。
その裏に伊藤将が逆転されたものの打線がつながり、一時は逆転に成功する。しかし5回、3番手・漆原大晟、続く浜地真澄が打たれて逆転を許し、痛い黒星となったのだ。
打たれた投手は当然として、細かい点を見れば思うところはある。まず先制した2回だ。土生から2点を取って、なおも無死三塁の好機。だが坂本誠志郎、小幡竜平、そして伊藤将が凡退した。しぶとく得点する指揮官・岡田彰布にしては淡泊だった気はする。
近本光司の3番スタメンもそうだ。61試合で打った1番での打率が2割6分なのに比べ、12試合の4番は2割1分7厘。そして、これで8試合目の3番は1割3分8厘だ。打順が打撃にどれだけ影響するのかは難しいが、この日も結果は出なかった。
だが、いろいろと言っても1敗は1敗。他者を気にせず、放言するように見える岡田だが、その持論の1つに「負け試合で戦犯はつくらない」というものがある。投手でも打者でも誰か1人に責任を押しつけてはダメということだ。
それでいけば、この日はチームすべてが良くなかったというしかない。打たれた投手陣も、6回以降攻めきれなかった打線も、そして、もちろんベンチも、である。見直し、反省し、次に向かうしかないのだ。順位はともかく、まだ貯金はある。肩を落としている暇はない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




