市ケ尾が、逆転勝ちで16強入りを決めた。

 1-2の4回無死一塁、4番石津友哉外野手(3年)が直球を捉え右翼席へ運んだ。打った瞬間ガッツポーズで走りだすと、笑顔でベンチへ戻った。

 高校通算15本目、公式戦では初の本塁打。1、2回戦は緊張で固くなっていたが、菅沢悠監督(31)から「お前が打たないと勝てないぞ」と声を掛けられ、主将として奮起。「うまく緊張と付き合って、打つことができました」と振り返った。打線は6回に四球をはさんで4連打と5得点を挙げ、結果的には大勝。「勝てたことはうれしいけど、目標は8強なので、まだ通過点です」と冷静だった。

 今大会初先発した伊藤孔投手(3年)は緊張しており初回に1失点。3回には、本塁打も浴びた。しかし「本塁打を打たれて、これ以上悪いことはないなと思った」と吹っ切れた。以降は無失点に抑え、6回を2失点で試合を作った。「(チームが)得点を取ってくれると信じていました」と振り返った。

 4回戦では、桐蔭学園と対戦する。春の地区大会で対戦し3-5と接戦の末に敗れた相手だ。伊藤は「(力は)五分五分だと思って、練習の成果を出して楽しみたい」と話した。