秋季高校野球東北大会準決勝2試合が今日17日、秋田・こまちスタジアムで行われる。決勝進出の2校が有力となる来春のセンバツ出場切符を懸け、4校が火花を散らす。初出場を狙う公立の古川(宮城2位)は、2年ぶりの出場を狙う盛岡大付(岩手1位)と対戦。地元大崎市から2年生約230人が応援に駆け付け、投打の柱である千坂優斗投手(2年)らに声援を送る。

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古川は見えない力を味方につける。古川の応援に、2年生約230人が急きょ参加することが決まった。エース兼4番の千坂は「秋田まで来てくれる。失うものは何もない。自分たちの野球を貫いて、勝利に向かっていきたい」と宣言した。この日は秋田高グラウンドで平常時の練習時間の倍となる約4時間練習。大半を課題だった守備練習に充て、最後はバント練習で締めくくった。

千坂が得意とするカットボール、ツーシームはタイミングを外すのが狙いだ。「いかにして相手打者の芯を外して内野ゴロに打ち取るか」。自分の長所を最大に生かすために、内野守備を再整備した。進学校だけに、毎週出される週末課題を大会中にこなしている。「僕は雨で中止になった日(12日)にやっているので」と余裕の表情。古川の「IQ鉄腕」が同校初のセンバツ切符をゲットする。

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盛岡大付は初回で試合を決める。盛岡大付の1番峰圭哉内野手(2年)が古川・千坂攻略に自信を見せた。15日の準々決勝、酒田南戦では初回に外角のボール球を逆方向に流して二塁打。そこから一挙4点を先制して押し切った。「最初の打席が大事。動く球は反応で打つしかない。圧倒して、センバツに出たい」。この日は秋田商グラウンドで徹底打ち込み。峰はシート打撃で右越え本塁打を放ち、大一番を前に調子は上がっている。

燃える理由がある。今夏の岩手大会決勝、花巻東戦は自分の送球ミスが絡んで逆転を許し3年連続の甲子園出場を逃した。「同じミスは絶対したくない。絶対に花巻東と東北大会決勝でやりたい」。秋の県決勝で宿敵に勝ってはいるが、まだ満足していない。「自分の代は神宮大会に出てセンバツ出場が目標。関口先生(監督)を初の神宮に連れて行きたい」と意気込んだ。

【高橋洋平、鎌田直秀】