秋田中央は投打の歯車がかみ合い8強進出を決めた。エース松平涼平(3年)が完封し、元女房役の斎藤椋平外野手(3年)が決勝2ラン。春は県3位のダークホースが45年ぶりの甲子園へ、力強く前進している。

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99球の省エネ投法で松平が秋田南打線を完封した。「変化球を低めに集め直球を生かそうとした。序盤は力んだが球数を少なくして打たせて取ることを心掛けた」。二塁を踏ませず7回まで先頭打者も出さない完璧な投球を披露。俊敏なフィールディングで相手の犠打を2度防ぎ、好機を作らせなかった。それでも、最後の夏を迎えた松平には苦い過去がある。1年時の準々決勝・明桜戦、2年時の1回戦・能代戦といずれも失点し、1点差で泣いた。「8回に失点して負けるケースが多いので特に気を引き締めた」と「魔の回」にも動じず投げ抜いた。先輩の思いも背負い、エースとしてチームを引っ張る。

好投の松平を元女房役の7番・斉藤椋が援護した。0-0で迎えた6回、内角の直球を捉え、公式戦1号となる決勝2ランを左翼席に放った。「狙っていなかった。左飛だと思ったが、歓声が聞こえて入ったのがわかった」と笑顔で話した。1年生捕手の野呂田漸が台頭し、1カ月前に外野へ転向した悔しさを力に変えた。「転向は驚いたが、野呂田なら安心して任せられる。勝つために最善の策。打撃により力を入れようと思った」と自らの存在を結果で示した。この新旧捕手の間にはある験担ぎがある。1つ前の打順を打つ6番・野呂田が打てば、斉藤椋も続けて打てるというものだ。この日も直前に後輩が左前打を放ち、「絶対に打てると思った」と先輩が一発で仕上げた。

6回に均衡が破れる我慢の展開になったが、佐藤幸彦監督(45)は「粘り強く頑張った。いろいろな展開を経験して強くなろうと選手に話している」と明かした。秋田市立時代の45年ぶり甲子園が近づいてきた。【山田愛斗】