甲子園練習2日目が行われ、東北勢は鶴岡東(山形)、仙台育英(宮城)、聖光学院(福島)の3校が登場した。3年連続28回目の出場となる仙台育英は、就任2年目の須江航監督(36)の元、288通りもの状況に対応できる緻密な野球で進化を証明する。初戦敗退した昨年のリベンジを狙う。3日、組み合わせ抽選会が行われ、大会は6日に開幕する。
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新生仙台育英を象徴するかのような甲子園練習だった。開始から状況を設定したシートノックを続ける中、選手は柔軟で迷いのない動きを見せる。昨年の初戦で浦和学院(埼玉)に0-9と完敗してから鍛えてきた緻密さを、大舞台でも披露するつもりだ。
須江監督は昨年1月に系列の秀光中の監督から就任。仙台育英では2年秋から学生コーチ、選抜準優勝時には記録員でベンチ入りした。八戸学院大でも学生コーチと、若くして指導者畑を進み、秀光中では監督として14年に全国優勝へと導いた。就任にあたっては恩師でもある前任の佐々木順一朗監督(59=現学法石川)のイズムを継承しながら、自らの色も出した。「勢いがあって、ドラマ性のある試合展開ができるメンタリティーと明るさは、絶対に残したいと思っていた。そこに緻密な野球を加えたいと思った」。それでも昨夏は就任6か月と準備不足で「守備と走塁しかできなかった」と不完全燃焼に終わった。浦和学院の4投手に対し残塁9の完封負け。攻撃のバリエーション不足を痛感した。「浦和学院さんから宿題をもらった。野球で起こりうる288ケースの予行演習を1年間してきた」。ボールカウント(12通り)×アウトカウント(3通り)×走者(8通り)の288通りの状況を想定して練習を繰り返した。
県大会ではタイプの違う4投手を、ある時は先発ショートイニングのオープナー、ある時はクローザーなど、臨機応変に起用してきた。打では中学時代から指導する千葉蓮主将(3年)が須江イズムの体現者となっている。「サッカーでいえばボランチ。本塁打も進塁打も犠打も何でもできる。打率も6割以上。オールマイティーですが技術的なことではなくて思考が整理されている」と全幅の信頼を置く。しっかり準備を整えて迎える今夏。「まずは1つしっかり勝ちきることを全員に体感させたい」。仙台育英の新しい歴史が始まる。【野上伸悟】

