今度こそ聖地へ!日本高野連は10日、オンラインでの理事会を開き、8月10日から甲子園球場で、中止となった今春センバツに出場予定だった32校を招待して「2020甲子園高校野球交流試合」を開催することを決定した。1月にセンバツ出場を決めていた加藤学園は出場する意向で、春夏を通じて初の甲子園となる。春に夢を絶たれた聖地でのプレーが、夏の始まりとともに、現実として戻ってきた。
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寝耳に水、だった。この日の練習開始前、米山学監督(42)から朗報を聞いたナインは、笑顔ではなく驚きの表情を見せながら、甲子園出場の現実を受け入れていた。その後、報道陣の取材に答えた勝又友則主将(3年)は「1度は失われた夢だったが、いろいろな方のおかげでこの機会を得た。甲子園では、感謝の思いを持って、自分たちらしく全力プレーをしたい」と力を込めた。
今年3月、出場予定だったセンバツが、開幕の約1週間前に中止となった。仕切り直しを誓った夏の甲子園も消え、選手たちは、やり場のない悲しみに包まれた。肥沼竣投手(3年)は「甲子園への気持ちを諦めきれなかったが、現実なので受け止めました」。思いを吹っ切るかのように、練習に没頭。筋トレや、1日米6合を食べる食トレも行いながら、独自の県大会(来月11日開幕)優勝を目指し、仲間と汗を流していた。
その最中の知らせに、「チームとして、ここまで駆け上がってきたので、その努力が報われてうれしいです」と、喜びを表した。加藤学園入学直前の17年春、センバツ観戦のために初めて甲子園球場を訪れた。そこで球場の広さ、雰囲気に魅了された。2カ月後には、自身がその舞台に立つ。「全力で投げ込みたい」と意気込んだ。
この試合が、3年生にとっての最後の一戦となりそうだ。有終の美を飾るため、勝又は「後輩たちに、しっかりと自分たちの背中を見せて勝ちたい。一戦必勝で、全員野球をしてきます」と気合を入れ直した。春に見せるはずだった“カトガク旋風”を披露する決意だ。【河合萌彦】
◆これまでの経過◆
加藤学園は昨秋、試合終盤での粘り強さを武器に県大会で準優勝し、18年ぶりに東海大会へ出場した。同大会では、エース肥沼らの活躍で勝ち進み、初の4強入り。準決勝では、県岐阜商と延長戦までもつれる接戦を演じたが、3-4でサヨナラ負けを喫した。その後、東海王者の中京大中京(愛知)が、明治神宮大会で優勝。東海地区に与えられた「神宮枠」によって、今年1月24日、今春のセンバツ初出場が決まった。
しかし、コロナ禍の影響で3月11日に同大会の中止が発表された。夏に向けて気持ちを切り替えたが、先月20日に夏の甲子園も中止となった。失意の中、今月2日から、活動停止となった4月上旬以来、約2カ月ぶりに全体練習を再開。5日には、甲子園大会とともに中止となった今夏の全国高校選手権静岡大会の代替として「2020県高校野球大会」の開催が決定。同大会優勝を目指し、練習に熱を入れていた。

