プロ野球ドラフト会議(26日)に向けた志望届の提出が、12日に締め切られた。静岡県内からは高校生5人、大学生1人の計6人が、さまざまな思いを抱きながら届を出した。静清高の高橋楽(らく)投手(3年)は、夢のプロ入りを信じ、退路を断つ構えだ。

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静清高の高橋が、ドラフトに向けて心境を語った。「指名してもらえるか分からないが、少し期待しています」。今夏の県独自大会後も練習を継続。8月末には、同校を訪れた巨人とオリックスのスカウトの前で、約30球を披露した。「けっこうアピールできたと思う」と手応えを得た。

8月17日に、県内選手として最初にプロ志望届を提出した。先月5、6日には、東京ドームで行われた「プロ志望高校生合同練習会」に参加。昔から巨人ファンだったことから「あそこで投げられただけで満足だった」。アピールも欠かさず、打者6人に対して被安打は1本のみ。「自分のパフォーマンスも出せたし、結果にも満足している」と胸を張った。

同練習会で同じ志を持つ選手と交流し、刺激を受けた様子だ。高崎健康福祉大高崎高(群馬)の下慎之介投手(3年)と会話し「球速より制球と球のキレを重視していると聞いて、参考にしようと思った」。以来、フォームを上手投げからスリークオーターに変更。「球の回転が良くなったと思う」と実感を語った。

プロ以外の進路は考えていない。「指名されなければ、野球を辞めて就職するつもりです」。育成でも入団の意思は変わらない。退路を断ち、運命の日を待つ。

◆高橋楽(たかはし・らく)2002年(平14)6月9日、川崎市生まれ。小1から上作延ノンキーズで野球を始め、向丘中時代は狛江ボーイズ(東京)に所属。静清高入学後は捕手や外野手を経験し、昨秋から投手に転向した。直球の自己最速は142キロ。右投げ右打ち。188センチ、84キロ。血液型A。家族は両親と妹。【河合萌彦】