明秀日立が接戦を制し、4年ぶりの秋季関東大会出場を決めた。

エースの猪俣駿太投手(2年)が2戦連続の完投勝利を収めた。130キロ台の直球を中心に、9回2奪三振1失点。粘り強く、打たせて取る投球をみせた。

最速142キロ右腕はこの日、制球重視の投球を意識した。「相手は強力打線なので、とにかく低めに、丁寧に」と慎重に投げた。この日の自己採点は70点とまずまずだったが「先制した裏にすぐ点を取られてしまったので。少し力んでしまった」と、犠飛で失った1点を反省した。

福島県喜多方市出身。茨城の明秀日立を選んだ理由に、金沢成奉監督(54)の存在がある。「練習が厳しいと聞いていて、自分がどこまでやれるのか。目標であるプロでやれるのかを確かめたかったので」と力強く話した。

金沢監督は猪俣の投球を振り返り「今日は低めに丁寧に投げてくれました。ただ、中盤に球が浮いてきたので、叱りました」と笑った。続けて「ポテンシャルはこんなものじゃないです。打つ方も潜在能力が高いですし、もう一踏ん張りしてもらいたいですね」とさらなる成長を期待した。

決勝で県内優勝を懸け、藤代と対戦する。今秋の関東大会は茨城で開催され、例年通りなら開催県の優勝校には唯一のシードが与えられる。金沢監督は「スーパーシードを狙いに行きます」と力強く締めた。