元阪神岩田徹監督(55)率いる新生・大阪偕星学園が、3年ぶりの夏1勝だ。和泉との初戦で3回に集中打で5点を奪い、守っては2年生エースの森本貫太が1失点完投。昨年は元監督やコーチの不祥事など暗い話題が続いたが、今年1月に就任した新監督のもと、学校をあげての支援で新たなスタートを切った。

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新しいユニホームで、歴史を作る。大阪偕星学園が夏の初戦を勝ちきった。3回、相手投手のボークで1点を先制後、下向(しもむかい)光希内野手(3年)から3連続適時打で5点を奪取。森本が完投でリードを守り抜いた。「1つのアウトをしっかり取ろうと言ってきました」。19年以来の夏1勝に岩田新監督は顔をほころばせた。

母校・PL学園のロゴを模した「KAISEI」のワッペンは、まさにPLイズムそのもの。タテジマは阪神さながらだ。新ユニホームに新監督の歴史がある。「伝統あるユニホームになってほしい」と願い、作りあげた。

いずれ教え子を「夢の舞台」甲子園に立たせたい。「緊張はすると思う。でもこの投手はこうやって攻略しようとか考えを切り替えたら、緊張は集中力に変わっていく」。自身もPL学園時代の恩師、中村順司監督(75)に、人としてあるべき姿を教えられた。その土台があり、長寿の野球人になれた。

着任からそれを伝え、1つのアウト、1球の重要性を教えた。打力でプロから注目される藤原慎也外野手(3年)は「攻守両面での1球の大切さを教えていただいています。守備で得られる情報を、外野全体の守備位置にも生かせるようになりました」と、司令塔の自覚も育んできた。

昨年は元監督やコーチの不祥事が続いた。再出発の夏は学校の期待も担う。「(大阪)桐蔭さんとやろう! 選手にそう言ったら『よっしゃ』と応じてくれました」。かつて全国の高校から追いかけられたPL球児が、当代最強校との対戦を目指し、夏に挑む。【堀まどか】

◆岩田徹(いわた・とおる)1967年(昭42)2月12日、和歌山県生まれ。PL学園で外野手として84年春夏の甲子園準優勝。三菱自動車水島をへて88年ドラフト4位で阪神入団。捕手として98年引退まで58試合出場、打率1割7分2厘、1本塁打。少年野球「レッドスターベースボールクラブ」で監督を務めた後、履正社医療スポーツ専門学校や北大阪ボーイズで指導。現役時代は右投げ右打ち。178センチ、79キロ。