巻が新潟西に8-3で勝利した。3-3の8回裏、代走の玉橋竜之介(2年)が2番田辺永士捕手(3年)の適時二塁打で一塁から一気に生還し、波状攻撃につなげた。昨年の甲子園出場校、新潟産大付は新潟県央工に10-3で8回コールド勝ち。昨夏の甲子園1回戦で花咲徳栄(埼玉)を破って以来の公式戦白星を挙げた。3回戦は16日から行われる。

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巻はベンチに「忍者」が控えていた。3-3の8回裏。先頭の1番平良木恒太中堅手(1年)が中前打で出塁すると、玉橋が「待ってました(笑い)」と代走に入った。流れを変えたい場面。勝見邦弘監督から出されたサインは、ヒットエンドラン。2番田辺が1ボールから直球を左に転がす。投球と同時にスタートを切っていた玉橋は一塁から一気にダイヤモンドを駆け抜け、難なく勝ち越しのホームを踏んだ。

「(田辺)永士(えいと)さんと2人で点が取りたいね、と話していた。ヒット1本で返るつもりだった。駆け抜けました」としてやったり。持ち味のスピードで会場を沸かし、ベンチで待つ仲間とのタッチも高速で交わした。

目の覚めるような好走塁は吉田中での3年間が原点だ。ベースランニングでは「二塁で膨らみ、三塁からは直線で行くイメージ」。スピードを落とさない進入角度を計算しながら、最短ルートで生還することを体に染み込ませた。「ここで生きました」と、額から流れる汗を拭いながらうなずいた。

走塁は状況判断や技術が優れてこそ成せる技。伊賀でも甲賀でもない“越後の忍び”は、「次も思い切りのいいハッスルプレーで貢献したい」。長岡大手との3回戦でも、忍び刀のように鋭い走塁で守備を切り裂く。【小林忠】