来春のセンバツにつながる秋季高校野球県大会が11日に開幕する。優勝候補の一角、帝京長岡は左腕のエース工藤壱朗(1年)が成長した姿を披露する。入学直後の春季県大会でデビューした1年生が、秋は背番号「1」。チームをけん引する覚悟でいる。
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「着けたいと思っている」。工藤は強く願っていた帝京長岡の背番号「1」を背負ってマウンドに立つ秋を、楽しみにして迎える。
鋭い腕の振りから繰り出すボールには今まで以上の自信がある。夏の練習試合では、多い時で1試合130球以上を意識して投げ込んだ。夏の大会の準決勝で新潟産大付に敗れた翌日から自主トレを開始。毎朝午前6時半からランニング、筋トレを行って体重は入学時から2キロアップして73キロに。「こだわっている」という最速130キロ台後半の直球の質は、切れに威力が加わった。
1年生ながら夏の新潟大会はヤマ場で登板した。準々決勝の新潟明訓戦は2番手で4回を6安打4奪三振の2失点、6-8で敗れた準決勝の新潟産大付戦は先発して5回1/3で4安打3失点4奪三振だった。
「春とは全然違った。負けたら終わりという相手の気持ちが目に見えて伝わってきた」。春季県大会2回戦の関根学園戦で高校初登板初先発。延長10回タイブレークの末、2-3で敗れたが9回8安打8奪三振1失点と好投した。ただ、春の手応えだけでは甲子園に届かない難しさを、夏に痛感させられた。
芝草宇宙監督(56)は「投球術はある。そこに頼りすぎた。丁寧に外角低めを突くことをあらためて意識させた」と投球の原点を見直すことを課した。引退した3年生たちからは「秋は頼むぞ」と声をかけられた。夏の背番号「10」から軽くなった分、期待の大きさは「受け止めている」と自覚する。
同じ北海道出身で帝京長岡のエースになりプロ入りした茨木秀俊(21=阪神)、佑太(19=ロッテ)の兄弟に憧れて新潟にやってきた。2人と同じ1年生の秋にエースナンバーを託された。「甲子園に出るチャンスはあと4回。全部狙っていく」。決意も一層強くなった。【斎藤慎一郎】
◆工藤壱朗(くどう・いちろう)2009年(平21)8月27日生まれ、北海道出身。幌南小1年から野球を始める。6年の時に日本ハムジュニアのメンバー入りし、NPB12球団ジュニアトーナメントに出場。柏中では蝦夷(えぞ)ベースボールクラブに所属。帝京長岡に進み、1年春からベンチ入り。176センチ、73キロ。左投げ左打ち。

