佐野日大(栃木)は三重に0-2で敗れた。主将の中村盛汰内野手(3年)は、PL学園(大阪)を春夏合計6度の優勝に導き、甲子園通算58勝を納めた中村順司さん(79)を祖父に持つ。中村は「この舞台で何回も戦って勝ってきた。祖父は偉大だと感じました」と、唇をかんだ。
それでもPL学園を率いた名将の孫の意地は見せた。2回、1死から左前へチーム初安打。9回にも2死から右前に運び計2安打。大阪入りから毎日、順司氏から電話でアドバイスをもらった。「“気負わずに自分たちらしく粘り強いプレーをしなさい”と言われた。気持ちに余裕を持って試合に入ることができました」。祖父とのホットラインが支えになった。
野球を始めた時から、祖父は専属コーチだった。「いつも優しい祖父が、野球には厳しかった」。幼心に偉大な存在を独り占めできる喜びは格別だった。バッティングセンターに連れて行ってもらっては、アドバイスしてくれたことを忘れずにノートに書きためた。
順司氏から聞く昔話にも目を輝かせた。「清原(和博氏)はな、いつも室内練習場で1人で練習していたんだぞ。打球音は銃撃の音みたいや。それくらいのスイングやぞ」。この日の2本は、自分らしくミートして外野に運んだ。「『全力で頑張った』と。それは伝えたいです。そして、夏は、祖父に校歌を聴かせたいと思います」と夏の勝利を誓った。【保坂淑子】
○…中村順司氏が孫の佐野日大・中村盛汰の観戦に訪れた。バックネット裏から勇姿を見届け、「キャプテンで試合にも出してもらって、レギュラーとして頑張ったのはものすごく成長した。選手としては“じい”とおやじを飛び越えたかなと思いますね」とねぎらった。初戦敗退に終わったが、「この悔しさを(バネに)高校最後の夏、頑張ってほしい」と期待を寄せた。

