<高校野球北神奈川大会:東海大相模6-3瀬谷>◇22日◇4回戦

 関東の怪物、東海大相模(北神奈川)の大田泰示遊撃手(3年)が瀬谷戦で2戦連発、しかも2打席連続の本塁打を放った。清原和博(PL学園)に1本差に迫る通算63号とし、チームも準々決勝へ進出した。

 場外本塁打かと思わせるような1発だった。2点リードの5回1死走者なし。大田がとらえた直球は、弾丸ライナーとなって左翼席上段に飛び込んだ。ワンバウンドすると後ろの看板を直撃した。推定飛距離140メートルの特大アーチだった。7回1死一塁では初球のカーブを狙って左翼席の中段に5点差とするダメ押し2ランを放った。「チームを勢いづけられるのは自分だけ」と、思いをバットにぶつけた。

 この日は、OB巨人原監督の50歳の誕生日でもあった。中学時代に、同監督の野球教室に参加したこともあるあこがれの人への祝砲にもなり「うれしいです」と顔をほころばせた。3試合で12打数9安打の活躍も、大先輩には「まだまだ近づいていない」とまぶしい表情を浮かべた。

 第2打席にはファーストストライクを左前二塁打した。積極的な打撃が持ち味。横浜の村上チーム運営統括は「飛距離をみても素晴らしい選手。大型のパワーを持った内野手で、坂本(巨人)にも匹敵する選手です」と絶賛した。20日の3回戦(対大和南)から2戦連続のアーチで通算63号とし、清原にあと1本に迫った。3打席連続、大会5年ぶりの3試合連続アーチにも期待がかかる。

 プレーだけではない。主将として、5回終了後に「気持ちでぶつかれ」とチーム全員を一喝する場面もあった。ここまでチームの硬さを指摘し続けてきた。この日はゲキも効き「安打も10本以上。失策もなく良い感じ」とチームとしての手応えも出てきた。門馬監督も「(チームの)宝の持ちぐされの状態を今日で抜けられたら、一気にいきますよ。(大田の)1本目は良かった」と怪物の目覚めに期待した。23日の準々決勝では日大高と対戦する。好投手擁するシード校撃破は、主砲大田のバットにかかっている。