長野に赤丸急上昇中のドラフト1巡目候補がいる。東海大三の147キロ右腕、甲斐拓哉投手(3年)。全国高校野球長野大会(7月5日開幕)の組み合わせが21日、決定し、東海大三の初戦は地球環境と須坂園芸の勝者に決まった。中学時代に全国優勝した甲斐は、今春の地区大会、下諏訪向陽戦で13奪三振のノーヒットノーランを達成するなど順調に成長。最後の夏に、96年以来の甲子園を狙う。大阪、愛知、静岡、岡山でも抽選会が行われた。

 183センチ、83キロの体から、ズドンと直球を投げ下ろす。スライダー、カーブ、チェンジアップ、フォークの変化球に、今春からツーシームを加えた。「長野に甲斐あり」は、早くからスカウト陣のうわさだった。「甲子園に行けばプロもあるのかなって。1歩1歩近づいていきたい」と最後の夏にかける気持ちは強い。

 春は自慢の直球を磨き上げた。県大会は準決勝まで3日連続完投で準優勝した。その間投げた変化球は「スライダーを3球ぐらい」と平然と話す。決勝は登板せず、直球だけで8年ぶりの北信越大会に導いた。

 性格、口ぶりもプロ向きだ。「普通にやれば優勝」と宣言。中学3年時に松本南シニアで全国優勝し、すでに最速は140キロだった。関東の甲子園常連校に進む選択肢もあったが「ここでひと花咲かせる。一番目立ちたかった」と地元に残った。夏に向け午前7時30分から朝練を開始。自主的に走り込み、有言実行への準備を進めている。

 北信越大会では味方6失策が絡み初戦敗退したが、最速146キロをマーク。巨人山下スカウト部長は「1巡目候補に入ってくる選手」と高校生の中でトップランクに位置付ける。女手1つで育ててくれた母伸子さん(41)、祖母わか江さん(61)への感謝は忘れない。甲斐の存在が、信州の夏を熱くしそうだ。【前田祐輔】