<高校野球群馬大会:前橋商2-1高崎健康福祉大高崎>◇12日◇3回戦

 飛雄馬の夏が終わった。高崎健康福祉大高崎(群馬)のプロ注目右腕、菊池飛雄馬投手(3年)が、前年覇者の前橋商に延長10回1-2でサヨナラ負けした。菊池は7回まで1失点(自責0)と好投したが、両足がけいれんを起こして降板。「5回ぐらいから右足がつり始めて、最後は1球ごとにつってしまった」。試合後のあいさつの際もベンチ裏から動けず、すぐに救急車で病院に運ばれた。

 昨夏の大会2週間前に右ひじを痛めた。昨春を最後に1年以上公式戦登板がなかった。「最後だし、みんなのために投げたかった」。飛雄馬と名付けた漫画「巨人の星」を愛する両親も見守った。130キロ台中盤の直球に、スライダーが切れ、大器の片りんは見せた。オリックス荒井スカウトは「カーブとスライダーをうまく使える。センスがある」と将来性に期待した。飛雄馬がプロ入りすれば史上初。菊池は「上を目指してやっていきたい」と目を赤くした。