リーグ3連覇を狙う広島が、今日16日に沖縄2次キャンプ(コザしんきんスタジアム)をスタートさせる。同日に行われる紅白戦では、開幕ローテの一角と期待される大瀬良大地投手(26)も初実戦を予定。昨季3年ぶり10勝の右腕は、宮崎・日南の1次キャンプを順調に消化してきた。「秘密兵器」の縦のスライダーを練習中であることを明かし、新フォームへの手応えも口にした。

 鍛錬の場は沖縄に移った。練習休日のこの日、気温23度と汗ばむような陽気。広島2次キャンプ初日には薮田、岡田、一岡、中田、九里と実績ある投手陣が紅白戦に登板する。そして大瀬良も、今年初の実戦マウンドへ。周囲の評価が高かった日南キャンプ。笑顔も交えて振り返った。

 「自分が思っているよりも、周りがいいと思ってくれていた。(オフに)やってきたことが、自分に合った方向にうまく乗っかっていた。だから身になって迎えられていると思う」

 キャンプ前には左手を高く上げ、より反動をつけるようなフォームに改良。日南ではフリー打撃に2度登板し、打者の反応を確かめることに主眼を置いた。

 「(新フォームが)完璧かと言われるとそうでもない。それでもいい反応をしてくれる。さらに出力を上げられたら、もっといい反応をしてくれるかなと」

 直球の向上を目指した改良だったが、変化球に対する打者の評判も良かった。

 「縦に大きく曲がるスライダーがいいという人や、フォークが直球に見えて良かったという人もいた。直球は自分でもいいと思っていたが、変化球はどうなんだろうと思っていた」

 初めて明かした縦のスライダーは、今まさに磨いている隠し味だ。

 「(昨年公式戦)最後のヤクルト戦の時に投げていた。2年目くらいまでは投げていたが、優先順位が低くてほとんど使っていなかった。球速は120キロ台前半くらい。それをカーブの役割で使おうかと」

 沖縄では、球数も少しずつ増やすつもりだ。

 「ここからバテが来るだろうし、思うようにいかないことも増える。そこで修正できる力もつけていきたい。暖かくなるし、もう少し多く投げられたらいい。実戦で試していく中で、結果を残したい」

 昨年は助けられた10勝との思いがある。今年は「何より大事な年」と力を込める。「今年1年、しっかり働いて結果を残すことが、来年以降の僕の立ち位置に大きく関わってくる」。一昨年は右肘、昨年は右脇腹を痛めてキャンプ中に離脱。3年ぶりの完走から、大瀬良の飛躍が始まる。