神宮初勝利だ。4年ぶり2度目出場の苫小牧駒大(北海道学生)は、4-2で日本文理大(九州北部地区)に逆転勝ちした。1点を追う4回、二口虎大(こだい)三塁手(3年=駒大苫小牧)の適時打と相手暴投で逆転。6回は3安打2得点で突き放した。6投手をつぎ込んできた03年優勝校に快勝し、創部20年目に記念すべき神宮1勝を挙げた。今日13日の2回戦は、慶大(東京6大学)と対戦する。
カクテル光線に照らされた苫小牧駒大ナインが笑顔でハイタッチをかわした。4-2の9回2死二塁。フラッと上がった打球を片岡新吾一塁手(2年=札幌大谷)がつかみ、ゲームセット。全国2度目の挑戦でうれしい初勝利だ。創部20年目。創部から指揮を執る大滝敏之監督(64)は「選手がよくやってくれました。守備陣も無失策でよかった」と目を細めた。
食らいついた。先制を許した直後の4回裏。2死一、二塁から9番二口が中前に同点の適時打。次打者の時に、相手暴投で三塁走者の新山敬太(4年=駒大苫小牧)が決勝のホームを踏んだ。6回は四球を挟み3安打で2点を追加。2安打2打点をマークした二口は「1点でも取ろうと必死でした」と笑顔で汗をぬぐった。
マンモスチームに立ち向かった。苫小牧駒大の部員数は出場27チームで最少の42人。一方、日本文理大は全国最多の315人。03年優勝校は投手交代の間隔が短い、独特な継投策で知られている。この日もめまぐるしく代わり、最少で打者2人でスイッチ。マウンドに登場した6投手と対峙(たいじ)した。
道内では未体験の投手リレーに、若松大地主将(4年=駒大苫小牧)は「ビックリした。まさかこんなに早く代わるとは思ってなかった」と苦笑いだったが、動揺せずに対処した。試合の1週間前から相手投手の映像を見て対策を練った。変化球が多いことからバットを短く持ち、初球から積極的に狙った。ベンチで常に話し合い、情報を共有し、4得点につなげた。
自称ラッキーボーイの二口は「ボールがバットに当たってくる感じでしたよ」とニヤリと笑った。2回戦は慶大に挑む。「自分たちの野球をして優勝を目指します」と二口。人数は関係ない。一丸となって神宮で大暴れする。【西塚祐司】
◆苫小牧駒大の全国成績 過去の全日本大学選手権出場は14年の1度。1番に源田壮亮遊撃手(現西武)を擁した愛知学院大(愛知)と1回戦で対戦し、0-5で敗退。2投手に1安打と封じ込まれた。秋の明治神宮大会出場はなし。