ついに3差だ! ソフトバンクが4連勝で、首位西武と後半戦最小の3ゲーム差まで迫った。柳田悠岐外野手(29)が自己最多タイの34号ソロを含む5打数5安打3打点の活躍。15安打13得点の大勝を導いた。15日からは敵地で西武と直接対決3連戦。頼れる主砲が逆転Vへ気合十分だ。

打席に入った柳田には、笑みがこぼれる余裕があった。4回無死。楽天辛島の初球、内角への変化球を迷わず打った。打球は鋭く右翼席へ。2戦連発で、15年にマークした自己最多に並ぶ34号ソロだ。「来た球を打ちにいって、いいタイミングが取れた。開幕からキャリアハイを目指してやってますので頑張ります」と笑顔を見せた。

初回に先制打。5回にも中押しの適時打を放って3打席連続打点だ。打点は95まで伸び、初の100打点も視野に入る。5打数5安打に「マグレですけど、いい1日になりました」と会心。打率も3割6分まで上昇させ、3部門での自己記録更新が見えてきた。

誰もが恐れる最強打者になりつつある。だがトリプルスリーを達成しようが、サイクル安打を決めようが、偉ぶることは一切ない。原点は阪神糸井に弟子入りして初めて一緒に鍛えた14年の自主トレだ。「あの糸井さんがペーペーのぼくに普通に接してくれた。ぼくなんかが偉そうにできるわけがないでしょ」。分け隔てない師匠の姿が目に焼き付いている。

この日の試合前も柳田は自然体だった。練習を終えたベンチ裏。「手も足も短いな。俺と比べたらストライクゾーンも狭いやろ」と甲斐をいじりつつ、アドバイスを加えた。「ストライクゾーンが少ないんやから、そこだけ打てばいい」。効果てきめん、4回に甲斐も2ランを打った。

首位西武が敗れ、6月30日以来の3ゲーム差。後半戦では最接近となった。2日間の休養をはさみ、15日からは敵地でいよいよ直接対決3連戦だ。工藤監督は「大きな3連戦を迎える。最後には自分たちがトップに立つという強い気持ちを持って臨みたい」と大逆転Vへ気合十分。柳田も「チームの雰囲気もすごくいい。あとはがむしゃらに向かっていくだけだと思います」。チームは15安打13得点で4連勝。最高の状態で決戦の地に向かう。【山本大地】

▼柳田がサイクル安打を達成した4月21日以来の1試合5安打。1試合5安打をシーズン2度記録したのは、10年の新井(阪神)と今江(ロッテ)以来8年ぶり。チームでは46年河西、94年松永に次いで3人目の球団タイ記録。