ソフトバンクのドラフト7位右腕、奥村政稔投手(26=三菱日立パワーシステムズ)が11日、シート打撃に登板し実戦派を証明した。

打者6人に対し牧原、中村晃に安打を許したが、カットボールなど多彩な変化球で的を絞らせなかった。「楽しんで投げられました。柳田さんは雰囲気がある。ワクワクしました。最後は四球だったのがちょっと」と、プロ初の実戦形式にも妻子持ちのオールドルーキーは落ち着いていた。

クイックモーションも速く、セットポジションの時間を長くし、一塁走者を誘い出してアウトにするなど、巧みなマウンドさばきも披露。「今宮さんからは実戦向きと言ってもらえて、中村晃さんからはカットボールが使えると言ってもらえました。僕もブルペンよりも実戦の方がいい」と頼もしい。

一瞬、顔が本塁方向と違う方向を向く。牧原は「それで思い切り投げて来るので、どこに球が来るのかとなる。球も動いている」と話した。工藤監督も「いろいろ球が変化する。よかった」と評価した。社会人時代は若手投手のコーチ役も経験。ラストチャンスの思いで勝ち取ったプロ入り。今季1軍で活躍して、別居中の家族と一緒に福岡市内に住むためにも、開幕1軍は譲れない。【石橋隆雄】

◆奥村政稔(おくむら・まさと)1992年(平4)8月14日生まれ。大分県出身。中津商から九州国際大へ進学。2年で中退し三菱重工長崎へ。チーム統合で三菱日立パワーシステムズへ。最速154キロ、カーブ、スライダー、カットボール、フォークボール、シュートと変化球も多彩。178センチ、78キロ。右投げ右打ち。