「24時間、野球を考えることを28年間やってきた選手」。ヤクルト宮本慎也ヘッドコーチ(48)は、イチローをそう表した。日本代表としてともに戦い「ウオーミングアップの最初から最後まで、全力でやる。野球に取り組む姿勢はナンバーワンだった」と明かした。

チームを盛り上げたのはイチローのバットであり、立ち居振る舞いだった。06年に開催された第1回のWBC。「まだどんな大会かも分かっていなかった」中で、2次リーグ初戦の米国戦、1番イチローが第1打席に本塁打を放った。「ワー!」と勢いよくベンチに戻ってきたことで、チームの団結力は一気にアップ。誤審問題や、韓国との決戦など困難を乗り越え初代チャンピオンに輝いた。「ビッグネームがそろう米国戦で先頭本塁打を打って、ベンチはがっと盛り上がった。若い選手が多かったので、彼がいることで向こう(米国)に行っても心強かった」と振り返った。すごさを知るからこそ「精神の疲れは尋常ではないと思う。まずはゆっくり体を休めてほしい」と気遣った。