西武秋山翔吾外野手(31)が、海外フリーエージェント(FA)権の行使を視野に入れていることが19日、分かった。

今日20日に出場選手登録が9年に達し、資格取得条件を満たす。今季が3年契約最終年となる西武残留の選択肢を含めた上で、新たな戦いの場としてメジャー移籍も視野に入れながら、決断を下す意向だ。

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プロ入り9年目を迎えた秋山が、海外FA権の取得を前に、メジャー移籍を選択肢に加えた。昨オフに、球団から新たな複数年契約を提示されるも、結び直すことなく今季で3年契約を満了する。球界関係者の話を総合すると、西武残留を含めた国内球団に限らず、メジャーも選択肢として、海外FA権の行使を視野に入れているという。

秋山は今季も打撃力の高さを見せ続けている。4月こそ低迷したが5月は打率4割を超え復調。月間MVPに選出された。1番に固定され安打を積み上げると、安打数と得点数は19日終了時点でリーグトップ。4度目となる最多安打のタイトルをつかもうとしている。抜きんでた実力と実績を引っ提げ、日本を代表するヒットマンとして、脂の乗りきった状態で挑戦できるタイミングといえる。

関係者の話によると、メジャーへの思いは少しずつ湧き上がっていった。大卒で西武に入団した時には既に、高卒で入った同学年の楽天田中将大(現ヤンキース)広島前田健太(現ドジャース)が第一線で活躍。田中は14年、前田も16年に海を渡った。秋山もすぐに頭角を現し、15年には最多安打の日本記録を更新したが、田中と前田が見ている世界はどんな景色なのか。夢の舞台ではなく、新たなステージに踏み入れることで、世代を走るライバルたちに追いつきたいという思いが、次第に強くなったという。来年で32歳を迎える。ラストチャンスとして強い思いが湧き上がったようだ。

今年1月には「結果が出なければ(メジャーは)ないわけだし、シーズンが終わった時に選択肢としてあるのかどうか」とシーズン中は封印した。19日のソフトバンク戦でも1人2安打と気を吐いた。試合後は「ベストの選択をするだけ」と話すにとどめ、佳境を迎えるシーズンに集中していた。

◆秋山翔吾(あきやま・しょうご)1988年(昭63)4月16日、神奈川県横須賀市生まれ。横浜創学館から八戸大を経て、10年ドラフト3位で西武入団。15年に216安打でシーズン最多安打記録を更新。17年首位打者、最多安打3度、ベストナイン3度、ゴールデングラブ賞5度。15年プレミア12、17年WBC日本代表。今季推定年俸2億3490万円。184センチ、85キロ。右投げ左打ち。