強い守護神求む!! 広島佐々岡真司監督(52)が2日、新クローザー候補たちにポジションを奪い合う競争を求めた。松田球団オーナーらとともに広島県知事や広島市長らなどのもとへあいさつ回り。各所で「中継ぎ強化」を約束した。V奪回のカギを握る新守護神は、現時点で白紙。今季抑えのフランスアや元守護神の中崎も含め、新外国人2投手を中心としたレベルの高い競争を期待している。

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通算106セーブの佐々岡監督だからこそ、守護神に求めるものは高い。手術からリハビリを続ける中崎にも、今季12セーブのフランスにも抑え指名はしない。新外国人投手を含めて、横一線。奪い取れ。重要なポジションだけに、レベルの高い競争を求めた。

来季の新外国人選手獲得にめどが立ち、佐々岡監督は来季の抑え構想について「競争」と繰り返した。今季途中にセットアッパーから抑えに転向したフランスアについて「安定していたわけじゃなかった」と投球内容に満足していない。

誰もが務められるポジションではない。現役時代にさまざまなポジションを経験し、先発100勝100セーブの偉業を成し遂げてきた指揮官だからこそ、より分かる。「強い球を投げられて、三振を取れる。体も心も強くないといけない」。フランスアも抑えを任された今季、セットアッパーを務めた昨季のような投球はできなかった。

前日1日には今年3Aで13試合6セーブ、防御率0・56のテイラー・スコット投手(27=オリオールズ傘下3A)を獲得。すでに契約合意していたメジャー通算35試合登板のD・J・ジョンソン投手(30=ロッキーズ)とともに抑え候補となる。佐々岡監督は「3人の中での競争になる。適性がどこなのか見ていかないといけない」とフランスアを含めた外国人投手を中心にした競争激化を期待。現在リハビリ中の中崎の名前を挙げるなど、日本人投手のアピールも求めた。

抑え投手の強さは、チーム力に大きな影響を与える。この日、松田球団オーナーらとともにあいさつ回りした各所でも「中継ぎ強化」を約束した。「あれだけの人たちが喜んでくれるのだから。やれればと思う」と願う優勝パレード実現のためも、欠かせない守護神確立。佐々岡広島の浮沈を左右する候補者に、まずはポジションを奪い取る強さを求める。【前原淳】