高卒2年目のオリックス太田椋内野手(19)が、改めて開幕スタメンを狙う。

「そこの思いは変わってないですね。もう1度(1軍に)呼んでいただいたので、アピールしたい気持ちは強いですね。実戦から遠ざかっているので強く振ることを意識しています」

この日は京セラドーム大阪での自主練習後、オンライン取材に応じた。「2月に(右足を)ケガをして(2軍に)落ちてしまったんですけど、ケガの状態もよくなって、もう1度、1軍に呼んでもらった。気が引き締まった思いです」。今春キャンプは1軍スタートだったが、右太ももを痛め離脱していた。その後は順調にリハビリを重ね、2月下旬には2軍で実戦復帰していた。

17日に再開した京セラドーム大阪での自主練習から1軍に再合流した。打撃の状態は「少しずつ上がってきている。スイングのキレも出てきた」と順調そうな様子。同学年の宜保が右手有鉤(ゆうこう)骨を疲労骨折して、離脱したことには「自分たちで頑張っていこうとしていたときだった。よきライバルがいなくなるのは、自分の中ではマイナス。お互いに高め合っていきたかったです」と残念そうだった。

太田も新人だった昨季は3月8日教育リーグのソフトバンク戦で千賀から右腕に死球を受け、右尺骨骨幹部を骨折。約3カ月間、チーム本隊から離脱した背景があるだけに、仲間を思いやった。今オフは大阪・舞洲を拠点に打撃投手の父・暁さん(49)と二人三脚で練習。室内での打撃練習や内野ノックなど「父子トレ」を行った。自主練習の期間に父親との練習は「1回だけありましたね。もう慣れてきたというか、あまり特別な思いはありません」と話した。

新人だった昨季は6試合に出場。9月14日楽天戦(京セラドーム大阪)でプロ初出場。21世紀生まれの野手としては出場第1号だった。プロ初打席は2回2死一、三塁の好機で巡ってきた。フルカウントまで粘り、内角低めの際どいコースへの6球目を見送り、四球を選んだ。ただ、その後は与えられた16打席でヒットを放つことができなかった。18年ドラフト1位の「親子鷹」が、今季こそ父親に、恩返しをしてみせる。